発売日:2005/11/18
シナリオ:ひぽぽたます斎藤
原画:犬彦

でふこん☆わん

あり得ない設定と、お馬鹿なキャラクターが繰り広げるドタバタ劇。
プレイ中、何度も笑わせられました。
空いた時間に「ちょっとやろか」と、気楽に楽しめるお手軽感が嬉しい一本です。

しかしながら、笑いを武器とするゲームのもろさを感じた一本でもありました。
結局、花形は感動系の作品で、笑いは脇役でしかないのでしょうか。
最後は感動で締めくくらないと、満足し切れない自分が情けないやら腹立たしいやら…。
「いや〜、最高でした」、なんて具合にスカッといかないもんですかね……。

笑えるテキスト
文章の端々に笑いを誘うネタが仕込まれていることが素直に凄いと感じました。
結構な手間だと思いますよ。
この場面で、キャラクターにこんなことをさせたら、言わせたら面白いのと違うか、と考えて書いているわけですから。
話の面白いヤツとアホ話をしているときの感覚です。
常にボケ返してくるというかね…。
「俺らコンビ組めるんちゃうか」と錯覚するほどに、息がピッタリな手ごたえを感じるんです。
ついつい「なんでやねん」、とツッコミを入れながら読んでしまいました。

体験版にもある部分なので、引用しますが、こんな一文があります。

「ち、近寄らないでっ! しっしっ!」
ジリジリとにじり寄る俺を、鉄子さんはその辺で拾った棒でけん制する。

「しっしっ!」でガードを崩された僕は、あとに続く「その辺で拾った棒」であっさり笑ってしまいました。
わざと「しょうもない言葉」を選んで使っているのが好きです。

三周目まで
二周目、三周目。
面白かったのは、ここまでです。
四周目になると、ガクッと評価は下がりました。
いや、数字の上では(なんて言うのも変ですが)面白さに変化はないんですよ。
でも、変わらないことが回を重ねるうちに退屈に感じられてしまう…。
ライターさんの呼吸がつかめてくる一周目半ばから、二周目いっぱいくらいまでが、面白さのピークじゃないでしょうか。
形にハマったときの「ほらな、やっぱりそう来たか!」というのと、まだ少し残っている意外性が良い塩梅で効いているときなので。
そこを過ぎると、もうあとは落ちるのみですね。

「やっぱりな」。
「あぁ、またか」。
「もええよ」、と。

三、四、五周目、と見事なまでの転落っぷりでした。
どれだけ面白かろうが、同じ種類の笑いを五周繰り返されると、流石に飽きがくるものです。
僕が極度の飽き性であることを差し引いても、五周目は相当しんどいと思います。

まだまだやれるハズ
失礼ながら、素人目にも「まだまだ面白くなりそう」と感じる部分がちらほらと。

まず、主人公の声がなかったこと。
これはほとんどのADVに言えることですね。
特に、コメディだと主人公とヒロインのかけ合いが重要になってくるので、ボイスは是非とも欲しいです。
でも、声には出さずとも、頭の中ではしゃべってる感じをイメージして読んでいるので、声が付くとヒロインのボケに主人公(プレイヤー)がツッコミを入れるという一体感が損なわれてしまうのかもしれません。
フルボイスの作品でたまにありますよね。
「もう、アニメでええやないの」というのが。

さて、こっちが本命なのですが、本作は場面転換の乱用が少し気になりました。
使うなとは言いません。
ただ、話はちゃんと落とし切ってから場面転換して欲しかったです。
ヒロイン(風鈴寺空)の屋敷に遊びに行くイベントでは、「ここはまだまだ引っ張れるぞ」というところをサラリと書き流していました。
この場面だけに限らず、「シチュエーション的に絶対面白いことが起こるだろう」と期待させておいて、意外とがんばらなかったりするんですよ。
手を抜いているのか、ネタは不要と判断したのか…。

どうせなら、僕は笑いたかったですね……。

総評
自由気ままに適当に遊ぶ分には、結構良作。
けれども、きめられた期間内にコンプする、みたいな話になってくるとちょっと怪しいです。
2、3ヶ月かけて、のんびりプレイしていれば、もっと良い評価になっていたかもしれません。

それにしても……。
結局のところメーカーさんとしては、どういうゲームにしたかったんでしょう。
僕は、「本作は笑いがポイントだ!」てな感じで書いてますけど、本当は違うのかもしれません。
まあ、あれだけ笑わせようと必死な演出しといて、「笑いなんてこれっぽっちも狙ってませんよ」なんてことはないでしょうけどね(^^;

written on 2005.12.13

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