「SEVEN-BRIDGE」は、人の心を読むことができる主人公(クゥクラン)と、そのクゥが唯一心を読むことができない少女(エマ)が、七つの橋を越えて終着駅にたどり着ければ願いがかなうといわれている列車(プレステ=ジョアン)に乗って旅をするというお話です。のっけから謎だらけで、大筋以外は、ほとんどわからないまま終わりました。
でも、魅力的なキャラクターと世界観を持っているので、ファンタジックな雰囲気を楽しみたい人にはオススメな作品だと思います。
ちょっと不親切。でもいい所も。
「読んでいる」というより「ただ眺めている」という状態が多々ありました。
これはプレステ=ジョアンが試練に挑む時や、戦いの増える後半部分に多かったです。
原因は、キャラクターの能力について分からない部分が多すぎるからだと思いました。
子ども時代にプラモデルや人形を戦わせた経験はないでしょうか?
お互いに、即興でその人形の能力や技を好き勝手付け足して、戦いというより「言い合い」のような状態になっていたアレです。
「ビームで攻撃した」と言えば「バリアがあるから効かんでー」みたいな。
何がいいたいかと言うと、ようは「ファンタジーにもルールは必要である」ということです。
コイツには何ができて、何ができないのか。
アイツには何ができて、何ができないのか。
こういうのが読んでいて、自然と伝わってこないと苦しいです。
突然、御札を投げて戦いだしたり、撃たれたのになんともなかったり、気功を使われたりしたらビックリします。
ちょっとくらい説明を入れてくれても良かったんじゃないでしょうか。
後出しで「実は××だったのよ」とやる不意打ちな展開が多すぎた気がします。
設定を明らかにする瞬間は、場を盛り上げる絶好のチャンスなのに、本作ではそのチャンスを何度も逃しておりもったいなかったです。
一方で、キャラクターの性格についての描写はすごく上手いと思いました。
最初はイマイチわからなかったキャラクターでも、話を進めていくごとに、「この場面、コイツならこうする、こう言う」というのがわかってきて、自然とキャラクターに馴染んでいくことができました。
油断ならんと、一挙一動を注意深く読みこんでいたキャラとの会話を、いつの間にかサラリと読み流している自分に気がついたときには、ハッとさせられました。
いつの間にやら気を許してしまっていたのです。
登場人物と読み手の間に流れた時間を感じて「一本取られたな」という感じでした。
列車で一緒に旅をしていた気分になっていたということですからね。
総評 B
面白かったけど、ちょっと勿体ないゲーム。
非常に手の込んだ企画書を読んでいるような感じでした。
もう少し世界観を詳しく描写して、ハッタリばかりの戦闘を手持ちの駒でどうにか打破できるように書き直せば、もっと地に足のついた読み応えのある作品になったんじゃないかなと思います。
注文ばかりを書いてしまいましたが、実を言うと結構楽しんでプレイできました。
前半のロードムービー的な雰囲気がツボにハマりましたね。
駅に到着するごとに、その土地の街の様子が描かれちょっとしたイベントが起こる。
道中はキャラクター同士のやり取りがあって、少しずつ同乗しているキャラクターについて知ることができる。
知りたいことがたくさんあって、読めば読むほど分かるから、どんどん読み進めてしまいました。
このままダラダラ列車の旅が続いても「それはそれでアリかなー」なんて思ってしまうほど。
いや〜、楽しかったです。ちょっと癒されました。
あと、基本的なことですが、BGMが素晴らしかったですね。
安定感はありませんが、グラフィックも1枚1枚に勢いがあって良かったと思います。
でも、EDロールだけに10枚以上、っていう絵の使い方はちょっと贅沢すぎたような…。
本編に使った方が効果的だったと思います。