発売日:2004/5/28
シナリオ:菅野ひろゆき
原画:芹沢克己

不確定世界の探偵紳士Rebirth!

今回は時間がとれたので、ぶっ続けでプレイして一息でクリアしました。
ボリューム的には丸一日つぶれるくらいの長さで、ちょうど良かったと思います。
ゲーム内容は、世界に30人しかいない凄腕のAクラス探偵である主人公・悪行双麻が様々な事件を捜査し解決するというシンプルなもの。
コマンド式の推理ゲームは『十次元立方体サイファー』に引き続き2本目で、同じメーカーさんだったこともあり、操作に戸惑うことはほとんどありませんでした。

お金と情報屋
調べる、移動、触る、などのコマンドを選んでコツコツ操作をすすめていくのがこのゲームの特徴です。 場所を移動するごとに時間が経過するシステムになっています。
あちこち歩き回って調査をしていると、叩き上げ刑事の気分が味わえて熱いです。
依頼主がきまって美人なのもなんだかハードボイルディでいい感じ。
他にも、情報屋から情報を買ったり、事件解決までの日数で報酬が変化するなど、プレイヤーにやる気を起こさせる作りになっています。
まあ最初だけですが…。

一度事件を解決して報酬をゲットすると、それ以降金に興味がなくなります。
とにかく金の使い道がありません。
情報が安すぎますね。情報の位置づけもまずいです。
情報を買わないと進行しないイベントがあるのは良いのですが、そればっかりでは面白くありません。
聞かなくても問題ないけれど、聞くことで事件解決の助けになるような情報があったら、もっと情報屋の意味が出てきたと思います。
そして、そういう情報を高い値段に設定しておけば、自然とお金の存在意義も出てきたのではないでしょうか。

Hシーンカットって…、ある意味すげー
依頼を断る探偵に、女の武器を利用して迫る女弁護士…。
スムーズにHシーンにもっていけるエロゲー的にはおいしい流れなのですが、なぜか9割カットでゲームは進行します。
さぁこれからというところで画面が暗転、次のシーンは朝といった感じです。
Hイベントに入りそうな流れに「これはイカン」と慌ててイヤホンを付けた僕ですが、拍子抜けして思わず笑ってしまいました。
これ以降出てくるHシーンでも、全て同じ流れでした。

でも、事件の真相を追っかけている最中にエロシーンがあると集中力が途切れるので、これはこれでありだと思いました。
純粋に、推理ADVとして面白いからこそ言えることですが、僕としては「ハードボイルドに徹した」ということにしておきたいです。

ただ、クリア後に見られる"ビデオ"が単なるシーン回想だったのは残念でした。
本編で「ゲームの流れを良くするためにカットした」Hシーンをオマケとして見れると思っていたのですが、違いましたね。

と残念がっていたら、ありました。Hイベント。
なぜか機械人形のミントだけ盛りだくさんでした。
イベントを見るためには、ちょっとしたコツがいるみたいで最初は気がつかなかったのですが、確認のために二周目をプレイしていたら、運良くたどり着きました。
「18禁なお色気」程度に思っていれば、そこそこ面白いと思います。
婦警さんのコスプレがイチオチです。
「こらっ、逮捕しますよ!」には参りました。

総評
自力プレイ必須です。
普通のADVのように、攻略サイトを初めから見てしまうと面白さが半減します。
推理して紐解くというよりは、暴くといった単語のほうがしっくりくるような荒っぽいゲーム内容ではありますが、なんにせよ「考える」ことを楽しむゲームなので、焦らずじっくりプレイするのがオススメです。

評価は、「十次元立方体サイファーをBとするなら、本作はCかな?」と、こんな感じでつけました。
サイファーのほうがプレイヤーに考えさせる作りになっていたので、単純に推理ゲーとして面白かったと思うし、ストーリーも複数の事件を扱う本作より、一本道のサイファーのほうが走りが良かったと思います。
閉鎖空間で殺人事件が起こるサイファーの場合、自然と登場する人物一人一人がカッチリ描かれることにもなるので、キャラ立ちの面でもサイファーに軍配があがるかなと。
本作はというと、事件が右から左に流れてくるので、登場人物も表面だけでそのまま流れていってしまうことが多かったです。
アドベンチャー寄りの本作。ノベル寄りのサイファー。
こういう位置づけでいいと思います。
僕としては、サイファーのほうが良いとこ取りできていて好きです。
主人公は、こっちのほうが好きですが。

ちょっぴりネタバレ感想(要反転)
世界にわずか30人しかいない凄腕Aクラス探偵が「エマーヤ=AYAME」なんて単純な言葉遊びに気がつかないのはお茶目過ぎます(笑)
そして、種明かしされてからはじめて「おぉ〜」と関心した自分が情けない…。
あと、マジメな話、ミントのルートに入ったときはED別にして欲しかったかも…。
あれだけ仲良くなっておきながら、やっぱり昔の奥さんが好きでした、ではちょっとなぁ……。
テキストを読む限りでは、べつに矛盾していないのだけれど、もうちょっとなんかないっすかね?
フォローというか温情というか…。
ちょっと後味悪い気がしました。
(ここまで)

written on 2005.04.30

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