Fate/stay night 【ふぇいとすていないと】
タイガー道場の大河とロリブルマのイリヤの駆け引きに大笑い。

記念すべき第一回目にはこの作品が一番相応しい。
これからレビューをしていく上でこの作品を無視するわけにはいかないだろう。
なんと言ってもこの作品、俺が始めてPCゲームをプレイした作品なのだから。
とある友人に「なんか面白いゲームを貸してくれ」といったところ「コレをやって損はしない」といわれたのがキッカケだ。
正直、何をすればいいのか分からない当時の俺は、なれない手つきでインストールを始めていった…。

本文
プレイした感想だが、コレはエロゲーではない。
確かに恋愛や萌えの要素はあるが、むしろこれは「伝奇小説」だろう。
まぁ、「伝奇活劇ビジュアルノベル」といっているくらいだからな。
「萌え」ではなく「燃え」であり、戦闘シーンをメインに描いている。
正直、エロはいらんと思うな。

シナリオは『Fate』、『Unlimited Blade Works』、『Heaven's Feel』の三部構成。
それぞれ、セイバー、凛、桜ルートになっている。個人的にセイバールートの『Fate』が気に入っている。
一言で言ってしまえば、正に『王道』的なシナリオだが、十分燃えることができ楽しめる(もちろん、「萌え」ることも出来る)。
三つのシナリオに言えることだが、文字通り「殺るか殺られるか」の伝奇小説的な極度の緊張感と興奮に満ちている。
奈須きのこの描くシナリオを読んでいて、菊地秀行と夢枕獏の二大巨頭の作品を思い出してきた。
それだけ、読み手を飽きさせず作品の世界に引きずり込む破壊力のあるシナリオだ。

音声がないことが最初気になった。
普通、ゲームのキャラには声が付いていて当然だと思っていたので、コレには驚かされた。
が、プレイしていく内にそんなこと気にならず、むしろ音声なしで十分だと思う。
けど、唯一バーサーカーに音声(吠えているだけだが…)があったのには思わず苦笑。
が、アニメでキャラが喋っているのを見て、やっぱり戦闘シーンや日常会話にあって欲しかったと思ったが…。

音楽がいい。この作品以降多くの作品をプレイしたが、あまり耳に残らないことが多かった。
が、使用された曲の多くが場面を盛り上げ、絵と実にマッチしていた。
効果音も武器と武器がぶつかり合う音など非常にいい出来で、興奮と緊張感を増幅させてくれる。
ちなみに、サントラもお気に入りだ。「THIS ILLUSION(piano ver.)」、「into the night」、「約束された勝利の剣」、「エミヤ」は頻繁に聴くことが多い。
だが、なんでサントラに「ローレライ」が入ってないんだ…。

キャラクターが実に個性的であり、武内崇の絵とよく合っている。
また、各キャラの立ち絵の種類の豊富さには驚いた。
メインキャラ以外にも脇役も個性的。
特にセイバーがお気に入り。
…なのだが、セイバーの格好を見て『ファイナルファンタジー・タクティクス』に登場した女性騎士のアグリアスを思い出した。
…なんか似てるんだよなぁ、鎧とか髪の色とか。
まぁ、どっちも好きなキャラだから別に問題無し。
しっかし、主人公の士郎は他のキャラと違って存在感が薄いなぁ。
いくら将来アーチャーになるとはいえ、とても同じ人物とは思えんくらい存在感がねぇなぁ。
「正義の味方になること」っておい…。
台詞が聴いていて痛い…。
典型的な馬鹿って感じ。
好きな人には申し訳ないが、唯一こいつだけは何故か好きになれん。
他のサーヴァントや脇役についても書きたいが、長くなるので割愛。

総評
この作品に対して文句をつけるのはどうかと思う。
シナリオの完成度、魅力的なキャラクター、膨大であり深い世界設定etc…。
とはいえ、シナリオは多少読み手を選ぶかもしれない。
作品独特の専門用語が出てきたり、簡単なことをわざと難しく言っているような気がする。
『Fate/stay night』では苦手・嫌だったキャラがファンディスク『Fate/Hollow ataraxia』では、物凄くいいキャラになったのも好印象。
まぁ、『Fate/Hollow ataraxia』は次の機会に…。
『月姫』と同じ世界観を持った作品だけあり、「アオザキ」や「ゼルレッチ」といった言葉が出てくる。
が、最初は何の事だかさっぱり分からなかったが…。
まぁ、正直言うと今もあまり分からないのだが…。
某サイトの友人の話を聞いていて、一割も理解できなかったorz。

追記
プレイ中、セイバーの正体には一番驚かされた。
いや、だって有名な女性騎士といえば真っ先にジャンヌ・ダルクの名前が出てくるが、アーサー王とは夢にも思わなかった。
アーサー王を少女にするなんて普通思いつかないだろ。
宝具を使用した時は思わず「なんだってぇぇっっ!?」と叫んでしまった。
他のサーヴァントの正体も予想外のが多くて、こちらの想像を超えていたのが良かった。
あと、セイバールート(だったはず)に『HURRY GO ROUND』という言葉が出てきて思わずニヤりとしてしまった。
この言葉は、元X-JAPANのギタリストhideの曲と同名。
そういえば、『月姫』、『歌月十夜』に『地下室のメロディー』、『Madman Blues‐ミナシ児ノ憂鬱‐』、『タナトス』などBUCK-TICKネタがあったな。
『空の境界』上巻四十六ページにも『タナトス』の「何処までも飛ぶ 何処へでも行く」という歌詞が載っていたし。
こういったネタ、ロック好きな俺としては大好きだな。
アニメ化もされたみたいだが、最初の4話ぐらいまで見てあとは暇な時に見ていた程度。
なんか、悪い評判ばかりだな。
確かに絵は綺麗だったけど、戦闘シーンは迫力がなくあまり絵が動いてなかった感じだったなぁ。
まぁ、時間があれば某所で見るとするか。